誰のための記事か?
この記事は、日本の理髪店を個人事業として営んでいるあなたが、配偶者を「青色事業専従者」として働いてもらっている、またはこれから働いてもらう予定のときに、どれくらい給与を支払えば一番節税になるか? を分かりやすく解説するものです。
例えば、奥さんに受付や予約対応、掃除やSNSの更新などを手伝ってもらっているなら、きちんと給与を支払って、その分を経費にすることで大きな節税効果が期待できます。ですが、支払う金額によっては、逆に税金や社会保険料が高くなることも…。
そこで、この記事では2025年の最新制度をもとに、いくら支払うのが一番おトクなのか? を段階別に丁寧に解説します。
専従者給与とは?
「青色事業専従者給与」とは、青色申告をしている個人事業主が、配偶者や15歳以上の親族に対して事業に従事した対価として支払う給与のこと。
この給与は、事前に税務署に届け出ておくことで、全額を必要経費にできるという強力な節税手段です。ただし、給与の金額は「仕事の内容に見合った金額」である必要があります。
なぜ給与額が大事なのか?
給与が少なすぎると節税効果が薄く、逆に多すぎると配偶者に所得税や住民税、社会保険料がかかってしまい、世帯全体の手取りが減る可能性があります。
理想は、事業主の所得税・住民税・国保を減らしつつ、配偶者側の税金や保険料負担を最小限にすること。そのためには、どこまでなら支払っても“損しないか”を知る必要があります。
2025年時点の「節税ライン」
給与額(年収) | 配偶者の手取り(目安) | 税金・社会保険の負担 | 事業主の経費化額 | コメント |
---|---|---|---|---|
~103万円 | 約103万円 | 所得税・住民税ゼロ。国民年金・国保軽減 | 103万円 | 最も安全・税負担なし |
110万円 | 約109万円 | 住民税軽微(~7千円) | 110万円 | 税負担ほぼなし、経費UP |
128万円 | 約125万円 | 所得税+住民税合計 約3万円、国保やや増 | 128万円 | 手取り良好・バランス型 |
150万円 | 約144万円 | 所得税+住民税合計 約6万円、国保増 | 150万円 | 節税効果大・手取り良好 |
※ 国民年金(約20万円)は全ての金額帯で本人負担として発生。
各ラインの意味と解説
◆ 103万円の壁(最も安全な非課税ゾーン)
・所得税も住民税もかからないライン。手取り=満額。
・これ以下なら税金の心配はゼロ。控えめだが安全。
◆ 106万円・130万円の壁(社会保険の注意点)
・106万円を超えると「会社員の配偶者」なら社会保険に加入義務あり。
・理髪店など個人事業であれば、社会保険に加入していない限り影響なし。
・130万円を超えると“扶養”から外れるケースも。今回のような国保加入者なら問題なし。
◆ 128万円の壁(住民税が本格的に発生)
・税負担はあるが軽微。
・事業主の節税効果(経費化)とのバランスがよく、多くのケースでオススメ。
◆ 150万円のライン(最大限の節税効果ゾーン)
・配偶者にかかる税金は増えるが、事業主の経費化効果はさらに大。
・配偶者の業務量が多ければ、ここまで支払っても損はない。
結論:あなたにとっての最適額は?
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奥さんの手取りを最優先したい → 103万円以下
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税金も手取りもバランスよく → 128万円
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とにかく経費化して節税したい → 150万円近く
専従者給与は「家族への感謝」を“節税”という形で表現できる最強ツールです。正しく使えば、あなたの理髪店のキャッシュフローを大きく改善する武器になります。
注意点
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税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要
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給与額は業務内容に対して“妥当”である必要あり
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実際に給与を銀行振込などで支払っている記録が重要
まとめ
理髪店を家族で経営しているなら、専従者給与は“使わなきゃ損”の制度です。この記事を参考に、ぜひ最適な給与額を設計して、無理なく・確実に節税しましょう!
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