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(「日本の理容市場分析 2025 年度版」ブログ掲載用)
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1 産業スナップショット
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2024 年上期の 理容市場規模は約 2,760 億円(理美容全体 2 兆 6,500 億円の 10.4 %)
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施設数は 110,297 店(前年比-1.9 %)。10 年で 1.6 万店純減し、年率-1.6 % の縮小トレンド
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従業理容師 20.5 万人、経営者平均年齢 66.8 歳、個人経営比率 94.5 %
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全国平均調髪料金 3,668 円。2015 – 2023 年で +150 円(+4.2 %)しか上げられていない
2 市場分岐
セグメント | 価格帯 | 店舗特性 | 支配要因 | 動向 |
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クイックカット | 1,000 – 1,500 円 | チェーン直営・駅ナカ | 時短×可処分所得 | QB HOUSE が 563 店、客単価 1,350 円で支配的 |
ローカル旧来店 | 2,500 – 4,000 円 | 高齢個人・固定客 | 高齢顧客依存 | 店舗閉鎖が主因で毎年 2 % 前後減少 |
ネオバーバー | 4,000 – 10,000 円 | 若手・都市 | 体験価値/SNS | 「Barber 新時代」潮流で若年男性を再獲得 |
訪問理容 | 2,000 – 4,000 円 | 個人・委託 | 高齢化 | 直近 3 年連続利用率上昇、在宅家族で 28 % |
3 需給ギャップの本質
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人口動態ミスマッチ
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男性 0–39 歳人口は 1995 → 2025 年で ▲31 %(総務省推計)。若年客が減る一方、理容師は高齢化。結果:旧来店の自然消滅ペース > 新規需要創出ペース。
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価格硬直性
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実質賃金・光熱費は 8 年で +15 % 前後上昇だが、料金上昇は +4 %。値上げを選択した場合、高齢固定客がクイックカットへ流出するため転嫁ができない構造 。
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生産性二極化
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QB HOUSE 1 店当たり年間来店 約 29,000 人(10 分当り 1 カット)で単独経営店の 8–10 倍の回転率。チェーンは DX と画一化で稼働率を極大化し、伝統店は資本装備率・IT 化ともに低位。
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4 外部トレンドとレバレッジポイント
外部変数 | 説明 | インパクト |
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男性化粧品 497 億円(2019 比 1.8 倍) | スキンケア需要の急拡大。理容伝統メニュー(シェービング・頭皮ケア)が再評価。 | 高単価メニュー追加余地+物販粗利 |
オンライン予約比率 男性 52.4 %(電話 25.9 %) | 予約窓口がデジタル主流、夜間予約が顕著。 | 未導入店は新規獲得から排除される |
訪問理容平均単価 2,982 円(在宅) | 要介護人口 2040 ピーク 958 万人。地方自治体の助成制度も拡充中 | 新規チャネル・平日昼閑散時間の補完 |
ダブルライセンス緩和(最短 1 年課程) | 技術者の相互流入を促進。 | 人材流動化+新サービス複合化 |
社会保険義務化(5 人超事業所) | 法定労務コスト上昇。 | 個人店の多店舗展開を抑制→チェーン優位 |
5 シナリオ分析(2025–2030)
シナリオ | 主要ドライバー | 予測 | 戦略示唆 |
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漸減ベースライン | 高齢店主引退 > 新規参入、低価格競争継続 | 店舗数▲1.5 %/年、実質売上横ばい | 損益分岐を下回る旧来店は 3 年以内に畳むか業態転換 |
連鎖化・資本化 | QB HOUSE・OCEAN TOKYO など多店舗が PE/REIT 資本と連携 | シェア 25 %→40 %、平均価格 3,000 円割れ | → 個人経営はブランド体験特化かフランチャイズ加盟 |
プレミアム回帰 | 男性美容×SNS 文化/外国人観光客(免税理容) | 高単価店 CAGR +4 %、訪日客比率 10 % | → 体験演出(内装/香り/音楽)+越境 EC 物販 |
ヘルスケア融合 | 要介護人口・医療連携 | 訪問理容市場 2.9→4.2 百億円 | → 介護報酬請求・看護師連携・自治体助成活用 |
6 ボトルネック
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後継者不足:2023 年時点で経営者の 72 % が「後継予定なし」 。
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IT リテラシー格差:店舗オーナー高齢化が DX 導入を阻害。
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技能訓練コスト:国家資格+徒弟制が技能供給を抑制、賃金水準 30–34 歳平均年収 269 万円 。
7 戦略オプション(極論仕様)
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値上げ不能市場で粗利を確保する唯一の方法はバスケット拡張
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シェービング→スキンケア、ヘッドスパ→育毛剤、カット後物販で施術単価の 1.6~2.0 倍まで引上げ。
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“予約プラットフォームを支配する者が顧客を支配する”
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自社 LINE ミニアプリまたは外部 API 連携で顧客 LTV とリピートをアルゴリズム管理。
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“死角の時間帯を訪問理容で埋めよ”
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平日 13-16 時の空白を在宅カットに充当し、稼働率 60 %→85 % へ。移動 30 分圏内、施設契約で一括集客。
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“資格の壁を武器にせよ”
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ダブルライセンス+脱毛・眉毛・化粧品販売の複合店を設計し、参入障壁を逆用。
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エグジットを想定した M&A パッケージ化
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不動産所有率 78 % を担保に、PMI テンプレートを整備して 5 店束ねて売却。
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8 結論
縮小産業と見做されるが、**構造要因は「高齢経営×価格硬直」**であり、需要そのものは 男性美容 497 億円(+14 %)・訪問理容 2 桁成長と拡張フェーズにある。
したがって「資本・デジタル・複合サービス」を同時投入した事業体のみが 縮小市場の中で絶対額を拡大できる。逆にこれを実行できない個人店は 2030 年までに 2 割以上が市場退出する。
理容業は“生活必需 × 文化装置 × 医療補完”であり、単なる散髪業ではない。
収縮する旧コアの外側で、成長フロンティアはすでに開いている。
9 お願い事
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BarBer & Apparel 中村商店
代表 中村浩茂
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